4歳 500L 5歳 6歳 7歳 8歳 AD(読み聞かせむき)

Rhinos Don't Eat Pancakes

文  Anna Kemp絵  Sara Ogilvie 
Print length 32 pages出版年月日 2011/4/28
AD530L
4-8歳

本の紹介『パンケーキをたべるサイなんていない?』

『Rhinos Don't Eat Pancakes』は、Anna Kempによる絵本で、Sara Ogilvieが美しいイラストを手掛けています。本作は、子どもの想像力と大人の「聞く力」の大切さをユーモラスに描いた作品です。

デイジーの話を聞かない忙しい両親、突然現れる紫色の大きなサイ、そして展開されるユーモラスなストーリーは、子どもにも大人にも響くメッセージを持っています。この絵本は、楽しい物語と心温まる教訓を兼ね備えた、家族で楽しめる作品です。


1.あらすじ

デイジーの両親はいつも忙しく、彼女の話をまともに聞いてくれません。そんなある日、デイジーは家の中に突然現れた「紫色のサイ」がパンケーキを食べるのを目撃します。しかし、パパもママも「そんなはずない」とまともに取り合いません。

ところがその後、動物園で「迷子のサイ」の張り紙を見つけた両親は、ようやくデイジーの話が本当だったことに気づきます。これをきっかけに、家族の関係は少しずつ変わっていくのです。


2.感想

この絵本は、子どもたちが持つ純粋な想像力と、大人がそれをどう受け止めるかについて深く考えさせられる作品です。大人にとっては単なる「ありえない話」でも、子どもにとっては「確かな現実」であり、そのギャップがユーモアたっぷりに描かれています。

特に印象的だったのは、デイジーの視点で描かれた物語のリアルさです。親はつい忙しさに追われ、子どもの話を適当に流してしまいがちですが、本当に大切なのは「聞くこと」「共感すること」。この本は、そんなシンプルでありながら見落とされがちなメッセージを、楽しいストーリーを通じて伝えてくれます。

また、Sara Ogilvieのイラストがとても魅力的で、紫色のサイの表情や動きがユーモラスに描かれており、読んでいるだけで楽しい気持ちになります。子どもと一緒に何度も読みたくなる、心温まる一冊です。


3.作者について

Anna Kemp

Anna Kempは、絵本から中学年向けのフィクションまで幅広く手掛ける作家で、数々の賞にノミネートされた経験を持ちます。代表作には『Dogs Don't Do Ballet』や『The Worst Princess』などがあり、彼女の作品はテレビ番組(CBeebies)や劇場作品、オーケストラの公演としても取り上げられています。現在は新しい絵本やファンタジーシリーズの執筆に取り組んでおり、学校や図書館での講演活動も行っています。

主な受賞・ノミネート歴

  • Booktrust Early Years Award(2010)
  • Roald Dahl Funny Prize(2010, 2012)
  • The Waterstones Children's Book Prize(2011, 2013)
  • Oscar's Book Prize(2015)
  • The Dundee Picture Book Award(2018)
Sara Ogilvie

Sara Ogilvieは、イギリスのイラストレーターであり版画家でもあります。2011年にはBookTrust Best New Illustrators Awardを受賞し、彼女がイラストを担当した『Dogs Don't Do Ballet』は、Roald Dahl Funny PrizeやBookTrust Early Years Awardにノミネートされました。現在はNewcastle upon Tyne在住で、絵本のイラストレーションを中心に活動しています。


4.おすすめポイント

① ユーモラスで想像力をかきたてるストーリー

「紫色のサイがパンケーキを食べる」という突拍子もない設定が、子どもたちの好奇心を刺激します。さらに、デイジーの視点で物語が進むことで、読者は彼女と同じ気持ちになり、ストーリーに没頭できます。

② 「聞くこと」の大切さを教えてくれる

大人は忙しさにかまけて、子どもの言葉を聞き流してしまうことがあります。この絵本は、「子どもの話に耳を傾けることがいかに大切か」を優しく教えてくれる一冊です。親子で一緒に読むことで、「もっとお互いの話を聞いてみよう」と考えるきっかけになるでしょう。

③ 魅力的なイラスト

Sara Ogilvieのイラストは、キャラクターたちの表情豊かな描写とユーモラスなタッチが特徴です。紫色のサイの愛らしさや、デイジーの驚きの表情など、細かい部分まで見て楽しめる絵本になっています。

④ 繰り返し読みたくなる魅力

「何度も読みたくなる」魅力が詰まった作品です。ユーモアのあるストーリー、リズム感のある文章、視覚的に楽しいイラストが組み合わさっているため、親子で繰り返し楽しめます。


5.まとめ

『Rhinos Don't Eat Pancakes』は、想像力豊かなストーリーとユーモラスなイラストが融合した、親子で楽しめる一冊です。デイジーの視点を通して、「子どもの言葉を大切にすること」の重要性が描かれており、大人にとっても学びのある作品です。

「子どもの話をしっかり聞くことの大切さ」「想像力を豊かにすることの楽しさ」を伝えるこの絵本は、読んだ後に心が温かくなるような作品です。親子の会話を深めるきっかけとして、ぜひ手に取ってみてください。

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-4歳, 500L, 5歳, 6歳, 7歳, 8歳, AD(読み聞かせむき)